顧客

東南アジア所在の大手製油所

用途​

加熱炉のドラフト圧力制御

課題

この製油所では、加熱炉のドラフト圧力を狭い設定範囲内での制御に関する課題を抱えていました。この課題により、プロセス変動が大きくなるため、ヒーターの動作に支障が生じていました。加熱を均一に確保し、予熱器内の火炎消失を防ぐためにはドラフト圧力を厳密に制御することが不可欠です。クライアントは、現在建設中の新しい製油所では、これらの問題を解決したいと考えていました。この直接加熱型プロセスヒーターを安定的かつ効率的に運転するには、ドラフト圧力を正確に測定および制御する必要があります。​

既存の製油所にあるドラフトレンジ圧力伝送器の場合、低圧時の測定および制御がかなり不正確で不安定でした。伝送器の出力制度の低さが、ドラフト圧力の変動を大きくし、それに伴ってプロセスの変動が生じていました。​

信頼性が低く不安定なドラフト圧力制御により、この加熱炉の動作にいくつかのマイナスのビジネス影響が生じていました。第一に、火炎が不安定になると、火炎消失のリスクが高くなり、それによって安全上のリスクが生じます。第二に、ヒーター管のコークス化が加速することにより、以下のような事象が発生しました:​

• ディーゼル、灯油、ナフタ製品の品質低下​
• ヒーター管を洗浄するための運転が停止し、プラントの稼働率およびスループットに悪影響を与えました。

ソリューション

クライアントは、ヒーターのドラフト圧力測定に適した Rosemount 3051S ドラフトレンジ圧力伝送器を設置することで、新しい製油所ではこの問題を解決しました。​

Rosemount 3051S ドラフトレンジ圧力伝送器は、低圧レンジで高い精度と安定性を発揮し、ヒーターのドラフト圧力の典型的な条件に適しています。Rosemount 3051S 圧力伝送器に採用されている Saturn™ 検出テクノロジは、性能を最適化し、診断機能を強化するための二次センサを搭載しています。​

Rosemount 3051S 圧力伝送器の精度と安定性により、この製油所ではドラフト圧力の厳密な制御が可能になりました。これにより、火炎の安定性が大幅に向上し、火炎消失のリスクが低下し、製油所の安全性が向上しました。プロセスの変動が減少すると熱入力の均一性が向上し、製品の品質が向上し、コークス化率と運転の中断が減少しました。その結果、プラントの可用性とスループットが向上しました。