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フローコントロールズ - 冷凍空調用自動制御機器に関するよくあるご質問(FAQ)

冷凍空調用自動制御機器に関する
よくあるご質問(FAQ)

エマソン・クライメイト・テクノロジーズ事業部
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ポンプダウンシステム/マイグレーションについて

Q.ポンプダウンシステムとは?また、どんなときに使われるのでしょうか?
ポンプダウン・システムには、液管における通常閉タイプの電磁弁と吸入圧力を検知する低圧スイッチが使われます。使い方は、次のようになります。

  • ・サーモスタットを液管の電磁弁に配線します。冷却時にはサーモスタットの電気接点が閉状態となり電磁弁が開きます。液冷媒が蒸発器へ流れ込み、吸入圧力が上昇し、低圧スイッチのセットポイント以上の圧力になります。低圧スイッチの接点が閉となり、コンプレッサーが運転を始動します。
  • ・サーモスタットの設定温度に到達すると、接点が開となり液管電磁弁が閉まります。この結果、液冷媒の蒸発器への流入は停止します。コンプレッサーが運転を続けていますので、冷媒は蒸発器からポンプアウトされ吸入圧力が低下します。低圧圧力が低圧スイッチのカットアウト値に到達すると、低圧スイッチは接点が開き、コンプレッサーが停止します。こうして、オフサイクル時には全ての冷媒は、冷凍装置の低圧側から高圧側に移動している状態となります。
Q.ポンプダウンシステムのメリットは何でしょうか?
ポンプダウンにより、コンプレッサーの停止時に、全ての液冷媒が受液器と凝縮器に収まることになります。これにより、オフサイクル時に冷媒がコンプレッサーのクランクケース内に流入し、始動時に液圧縮を発生することを防ぎます。
Q.マイグレショーンとは何ですか?
マイグレーションという用語は、冷媒が冷凍システム内で進入すべきでないところへ移動することを表わすときに使用されます。たとえば、液冷媒がコンプレッサーオイル溜めに「マイグレートする」というように表現します。この現象は、冷媒は装置内の一番低温の部分に移動するという理由によるものです。
一つの例として、コンプレッサーと凝縮器が室外機に収められたスプリット形エアコンを考えてみると、冬季に液冷媒が蒸発器からコンプレッサーに移動(マイグレート)します。これは、戸外のコンプレッサーの方が室内温度(蒸発温度)よりも低いからです。この現象を防がないと、春になってエアコンを始動させた際に、液圧縮を起こし、コンプレッサーの損傷につながります。
Q.マイグレーションを防ぐ方法は?
マイグレーション防止には、二つの一般的な方法があります。

  • ・ポンプダウンを行う。
  • ・クランクケースヒータを使用して、液冷媒を冷凍機油から追い出してやる。

温度膨張弁の選定方法/パワーエレメントの検査方法について

Q.温度膨張弁の選定方法:温度膨張弁は、どのように選定したらいいのでしょうか?
温度膨張弁を選定するにあたり、膨張弁の流量(能力)を蒸発器の能力に合わせることが必要です。
次の方法を推奨します。

  • ・膨張弁入口の液冷媒温度を確認する
  • ・膨張弁の入口と出口間の圧力降下を計算する。凝縮圧力から吸入圧力をマイナスし、さらに、ディストリビュータが使用されていればそれの圧力損失をマイナスする。
  • ・カタログから適切(冷媒、蒸発温度)な能力表を参照し、一番近い圧力降下のコラムを捜し出し、蒸発器能力に近い数字(流量)を捜す。その行の左側に表示されているバルブが選択する対象モデルとなる。
  • ・もし、実際の液温が標準能力のベースとなっている38℃と異なる際は、液温補正ファクター表から能力(流量)を再計算する必要があります。
Q.パワーエレメントの検査方法:パワーエレメントに封入ガスが残っているかどうかをチェックするにはどうしたらいいのでしょうか?
パワーエレメントに封入ガス量が減少または、全く残っていない場合、蒸発器内の冷媒が無くなってし まいます。これは、ダイアフラムを押し下げる圧力が不足するからです。
これをチェックするには、次のような方法が推奨されます。

  • ・過熱度調整型の場合、調整ナットを半時計方向にフルに回転させます。過熱度がそれでも異常に高い数字である場合、次のステップに行きます。
  • ・感温筒を吸入管から外し、手のひらで数分間握り続けます。吸入圧力をチェックします。もし、封入ガスが残っていれば、吸入圧力の上昇が確認できます。
  • ・もし、吸入圧力に変化が見られなければ、封入ガスが抜けていると判断できます。新しいバルブと交換します。

注;温度膨張弁のタイプによっては、パワーエレメントが脱着式のものがあります。その場合、バルブ全体を交換しなくても、パワーエレメントだけを交換することで対応できます。
パワーエレメントを本体から取り外せる場合、ダイアフラム部を指先で押し込んでみることによって、封入ガスの存在を確認できます。もし、封入ガスが抜けていなければ、押し込むことは不可能です。

スーパーヒート(過熱度)/蒸発器過熱度とシステム過熱度について

Q.スーパーヒートとは?
過熱度は、特定の圧力下で冷媒蒸気が飽和温度から何度高いかを数字で表わしたものです。
Q.どうやって過熱度を測定するのですか?
まず、低圧側の圧力ゲージで圧力を測定し、当該飽和圧力を圧力温度表で温度に読み替えます。次に圧力測定箇所と同じ場所の温度を正確な温度計や温度センサーで測定し、さきの温度との差を求めます。
Q.冷凍装置の過熱度を知ることがなぜ重要なのでしょうか?
過熱度を見ることで蒸発器へ流入する冷媒量が適切かどうかがわかります。もし、過熱度があまり高い状態であると、十分な冷媒が供給されていないわけで効率的な冷却が行われず、エネルギー効率が悪くなります。逆に過熱度が異常に低い場合、過剰な冷媒が供給されており、液バックの可能性が発生し、コンプレッサーの損傷を引き起こす原因となります。
Q.いつ過熱度をチェックすべきでしょうか?
過熱度は次のような場合には、いつもチェックしてください。

  • ・装置の冷え方がおかしいとき
  • ・コンプレッサーを交換したとき
  • ・温度式膨張弁を交換したとき
  • ・冷媒を交換、又は、追加したとき

注;過熱度は、装置が全負荷時に状態が安定時に行うこと。

Q.過熱度はどうやって変更するのですか?
温度膨張弁の調整ねじを回すことで調整します。

  • ・時計回しで過熱度アップ
  • ・反時計回しで過熱度ダウン
Q.蒸発器過熱度とシステム過熱度の違いは?
過熱度はシステムのどの位置で測定するかで異なってきます。温度式膨張弁がコントロールする過熱度は、蒸発器過熱度です。これは蒸発器の出口で測定します。冷媒が蒸発器内を移動するにつれ過熱度を増加していきます。蒸発器に入った段階では、ゼロで蒸発器内を通過する過程で熱を吸収しながら出口で最大の過熱度となります。

システム過熱度とはコンプレッサーの吸入口の位置における過熱度をさします。システム過熱度と戻りガス温度のことと勘違いされている方をたまに見かけます。過熱度は吸入ガスの飽和温度が変化すれば過熱度も変化するということを理解する必要があります。戻りガス温度は、温度計や温度センサーで測定される実測値です。これは、圧力が変わっても変化はしません。
Q.コンプレッサーの入口で理想的な過熱度は?
コンプレッサーメーカーとしては、最低でも20度の過熱度を期待しています。これは、液冷媒がコンプレッサーへ入り込まないようにという安全面からの考えによります。

サブクーリング/液バックについて

Q.サブクーリング(過冷却)とは何のことですか?
サブクーリングとは、液冷媒が飽和温度よりも低温で沸騰しない、つまり、液状態からガス状態に変化しない状態を表わしています。
一定の条件下でサブクーリングの大きさは、飽和温度と実際の液冷媒の温度との差をいいます。
Q.なぜサブクーリングは望ましいのでしょうか?
いくつかの理由で、サブクーリングは好ましいものと判断されます。

  • 1.サブクーリングによってシステムの効率がアップします。これは、還流冷媒量が増加するため、冷媒単位あたりの熱除去量が増えることによります。言い方を代えれば、要求冷凍温度を維持するためにより少ない冷媒で済むということになります。一定温度を維持するためのコンプレッサー運転時間も短縮できます。サブクーリングによる能力アップは冷媒の種類によっても異なります。
  • 2.サブクーリングすることによって冷媒が蒸発器に到達する前にガス状になることを防いでくれます。液配管内や立ち上がり配管部で圧力降下があると、冷媒の圧力が沸騰点またはフラッシュ点に到達します。これによってガス相に相変換をした冷媒は、蒸発器に入る前に周囲の熱を吸収し始めます。サブクーリングが十分に行われないと膨張弁を通過する液冷媒の量が減少し、システムの効率を阻害します。
Q.液バックとは何のこと?
液バックとは、液冷媒がコンプレッサーに吸い込まれてしまう現象をいいます。蒸発器に送り込まれた液冷媒の量が蒸発負荷以上だと、蒸発できなかった液冷媒がコンプレッサーに送り込まれてしまいます。
色々な理由が考えられますが、次にいくつかの例を示します。

  • ・温度膨張弁の能力サイズが大き過ぎる
  • ・温度膨張弁の調整間違い(過熱度設定が低過ぎる)
  • ・装置の冷媒チャージ量が多過ぎる
  • ・蒸発器のエアフローが不十分
  • ・蒸発器が汚れている
  • ・蒸発器ファンが停止している
  • ・温度膨張弁の感温筒がきちんと吸込み管に取付けられていない

真空引きについて

Q.冷凍システムの真空引きをする目的は?
冷凍回路の真空引きには主に二つの目的があります。

  • 1.不凝縮ガスの除去
  • 2.乾燥(水分蒸気の除去)

空気のような不凝縮ガスを除去しないで置くと、設定された凝縮圧力よりも高い圧力でシステムが運転されることになります。空気が凝縮器の上部に溜まり凝縮器の能力が削減されてしまう結果となります。凝縮圧力が増加すると圧縮機の圧縮比が高くなり、吐出しガスの温度がアップします。
いずれの現象も装置の効率を減少させ、装置の信頼性が損なわれます。
冷凍回路から水分を除去する理由はいくつか考えられます。冷媒内に水分が存在すると膨張弁やキャピラリーチューブで氷結を起こし、冷媒が流れなくなります。高温下で水分と冷媒が存在すると化学変化を起こして酸が発生します。この酸がオイルと摩耗金属粒子と反応し、スラッジが発生します。このスラッジは、オイルと混ざって高温部に、通常は吐出バルブプレート位置に集まり、放置しておくと吐出弁のシール性が損なわれます。
Q.真空引きは、実際に液状の水分をシステムから取り出すのでしょうか?
いいえ、実際には液状の水分を装置の外に取り出しているわけではありません。真空引きを行うと圧力が低下して、室温で水分が沸騰します。この結果、蒸気となった水分がバキュームポンプで装置の外に引き出されているわけです。
Q.適切に真空引きを行うには真空度はどれくらいにしたらいいのでしょうか?
最新式の高真空ポンプを使用します。現場で20ミクロンレベルまで引けるものが最適です。装置のメーカーに問い合わせて、推奨真空レベルを確認することが大事です。しかしながら、250ミクロンまで行えれば通常は十分だと判断されています。

ゲージで測定した真空度がシステムの真空度と同じであることに注意を払う必要があります。冷凍システムと真空ポンプを接続するホースはなるべく太いものを使用します。大きな圧力降下を防ぐために、事前にゲージマニホールドの虫バルブを取り外しておきます。真空引きが終了したら、真空ポンプを冷凍装置から取り外し、装置がその真空度を維持できているかを確認します。500ミクロンくらいまでの若干の上昇は許容されますが、これを超えるような場合は、2度、3度と真空引きを繰り返す必要があります。
真空放置時に装置の圧力が大気圧に戻ってしまう場合は、漏れ箇所があることを意味します。
もし、真空ポンプが一定レベルからの高真空を引けなくなった場合、通常、ポンプ内のオイルが汚れていることを示しています。新しいオイルと交換してください。真空ポンプ用のオイルを採用することが必須です。従来のオイルよりも著しく低い蒸気圧力特性を持っています。真空ポンプのオイルは定期的に新しいものと交換することが大事であり、通常は、使用する毎に新しいものと交換し、高真空を維持できるようにします。ポンプが熱いうちに、つまり、排水がしやすいうちにオイル交換を行います。

オイルセパレータについて

Q.油分離器の目的と作動方法は?
蒸発器からの冷凍機油の還流が難しい冷凍システムで油分離器が使用されます。スーパーマーケットの装置や極低温装置のような使用現場での組立て装置がその対象となります。

油分離器は、コンプレッサーの吐出し管に取付けます。通常、油分離器は縦型の容器で吐出し配管の取り付け口が上部にあり、油戻り口が底部にあります。圧縮機一台の装置であれば、この油戻し管を直接、圧縮機のクランクケースへ接続します。また、マルチの場合は、オイルリザバーへ配管します。油分離器には、容器の下部をオイルリザバとして使い、上部で油の分離を行うタイプがあります。

オイルリザバーから油は、コンプレッサーのクランクケースに取付けられた機械式のオイルレベルコントローラまたは、電子式オイルレベルコントローラ経由で圧縮機へ戻されます。

油分離器が吐出しガスから油を分離する方法には色々あります。流速を落とす方法、衝撃による方法、遠心分離の方法、凝集エレメント方式があります。油分離器の能力と効率は流し込まれる流体の流速に依存し、いかなる分離器も100%効率のものは存在しません。