通信プロトコルについて
過酷な工業環境向けの堅牢な通信インターフェース
使いやすく広範囲に利用されている HART は、HART通信に対応した現場機器と制御システムまたはフィールドコミュニケータとの間で通信を行う双方向の通信プロトコルです。 このプロトコルは、アナログとデジタルの2つの同時通信チャンネルを特徴としています。 ホストシステムによって電流値がフィールドプロセス変数に変換され、デジタル装置の情報は、アナログ信号に多重化されたデジタル情報の符号化によって通信されます。
フルデジタルの通信プロトコルとして、FOUNDATION™ フィールドバスは、現場計器、ホストシステム、および調節弁の間でリアルタイムのクローズド・ループ制御を提供します。 ピアツーピアのシステムであることから、通信は、2つのフィールドバス対応の装置の間、現場計器と制御システムの間、または装置からフィールドコミュニケータ、あるいはAMSへと、それぞれで直接行われます。 このプロトコルはまたフィールドだけでの制御 (CIF) も提供します。
このIEC 承認済み規格 (IEC 62591)である、WirelessHART® は自己組織/修復型メッシュ技術で、現場計器が99% 以上の信頼度でデータを配信するワイヤレスネットワークを形成することを可能にします。 この技術は、厳しい工業条件の下で、アプリケーションの制御と管理の双方向けの連続データをセキュアに配信します。 WirelessHART® ネットワークは、通常のフィールドデータ通信、遠隔機器設定、簡単な自動拡張機能を提供しながら、配線の物理的な制約を解消します。
Modbus プロトコルは、データをフィールド機器からマスタースレーブ形式で取得するために設計されているメッセージ構造です。 この業界標準のプロコルは、重要なデータを装置間(センサと機器など)で通信を行うとともに、PCとHMIを使用してフィールド機器を監視するようにも設計されています。 ガス、石油、および変電所向けのアプリケーションで広範に使用されている Modbusは、ワイヤレス通信が一般的である遠隔端末装置の通信に最適です。
IEC 61158 に標準化されている PROFIBUS (プロセスフィールドバス) PA は、デジタル通信プロトコルです。 このプロトコルは現場のデータをプロセス制御システムに転送するために使用され、分かり易い計器の管理とメンテナンスが特徴です。 現場計器を交換しても、新しい計器が自動的に以前の計器の役割を引き継ぐため、計器の交換をシステム運用の中断なしに簡単に実行できます。
OPC Foundation が開発し、OPC 規格を維持しています。これには、OPC Classic と OPC UA (Unified Architecture) の2つのシリーズの仕様が含まれます。 OPC Classic 仕様は、COM/DCOM データ交換を使用し、Microsoft Windows テクノロジをベースとしています。 OPC UA は、セキュアなプラットフォーム独立のアーキテクチャからなり、OPC Classicの機能を、新しいトランスポートプロトコル、セキュリティアルゴリズム、符号化規格を組み込むことができる1つの拡張可能なフレームワークに統合しています。
ホストシステムと設備資産管理アプリケーション用の高速通信接続である HART-IP は、HART対応の現場計器からの測定と機器の診断情報を統合します。 このプロトコルオプションは、既存のネットワークを使用して、プロセスの変換やデータの喪失なしに、簡単に TCP/IP ネットワークに接続します。 HART-IP はオートメーションシステムへ簡単に統合できる機能を持つインテリジェントデバイス管理を有効にするとともに、世界のどこにあるかを問わずデバイスを構成できるリモートアクセスをも有効にします。
DeviceNet はデジタルのマルチドロップ式ネットワークで、産業用コントローラと I/O デバイス間の通信ができるように設計されています。 CAN (コントローラ・エリア・ネットワーク) とトランクライン-ドロップライントポロジーを活用し、この対費用効果の高いネットワークは、I/O と明示的メッセージングをサポートし、マスタ-スレーブまたはピアツーピア通信を使う分散制御アーキテクチャで稼働します。 このプロトコルではDC 電源をネットワークケーブルで提供します。また、ネットワーク実行中のデバイス交換用のQuickConnect™ 機能も特徴としています。
EtherNet/IP は、標準のイーサネット技術 (IEEE 802.3) を産業オートメーションアプリケーション向けに活用できるように設計されています。 このソリューションでは、IEEE イーサネット規格の準拠が維持され、標準イーサネットインフラ計器での従来のスター・トポロジまたはEtherNet/IP デバイス有効のデバイスレベルリング (DLR)を含むトポロジ・オプションが提供されます。 また、このプロトコルは QuickConnect™ も特徴としており、ネットワーク実行中でのデバイスの交換が可能です。
簡単なピアス技術を使用してインストールされるAS-interfaceは、バイナリセンサとアクチュエータをリンクし、高い制御レベルに接続します。 この費用対効果の高いプロトコルは、2つのコンダクタから構成された一本のフラットケーブルを使用し、コンポーネントへの電力供給とデータ通信の両方を行うため、複雑なケーブルツリーは不要です。 このインターフェースはいずれのネットワーク・トポロジーでも使用することが可能で、「クリックアンドゴー」の原則を特徴としており、設置する人が、安全かつエラーなしでコンポーネントを取り付けることができます。
CANopen はバスアーキテクチャ内のセンサを活用するために多く使用される通信プロトコルで、オフショアの工業用途で広範に使用されています。 埋め込み式オートメーション用のCANベースの物理層を活用し、フィールドデータを配信し、機器設定向けに使用できる信頼性の高いプロトコルです。