結果/顧客価値
設備の完全性を損なうことなく、高い運用効率を維持
機器の予測メンテナンスを実施することで、計画外のダウンタイムを回避
迅速な意思決定をサポートするリアルタイム KPI を取得
北海に拠点を置く石油・ガス事業者。
複数の坑口で上流に混入した砂を監視します。
北海のオフショアプラットフォームは、長期的な資産の完全性を維持することに重点を置き、2015 年末に稼働を開始しました。砂の管理を巡るオペレーターの戦略は、施設の安全性と完全性のバランスを取りつつ、運用効率を最大化することでした。最初の石油生産以来、プラットフォームは 97% を超える高い生産効率率を記録し、この高いレベルを維持することを目指しています。
このような高生産率での課題は、特に砂の多い貯留層の場合や炭化水素の回収を最大化するソリューションが導入されている場合、比較的短期間で坑井が砂を生産し始める可能性が高いことです。砂の生産における重要な問題のひとつは、生産された流体に混入した砂粒子が研磨性を持ち、パイプライン、バルブ、その他の表面設備を侵食してしまうことです。時間の経過に伴いエロージョンにより金属の損失、パイプやバルブの故障、さらには漏れが発生する可能性があります。これにより、設備の健全性に実質的なリスクが生じ、混入する砂を最小限に抑えるためにオペレーターが生産率を下げざるを得なくなる可能性があり、その結果として運用効率も低下することになります。この施設の生産量が 5% 減少した場合、1 日あたりの収益損失は 28 万 5 千ドルにのぼります。
オペレーターは、15 の坑井すべてにエマソン砂音響モニター（SAM）（画像 1）を設置し、既存のエマソン侵入型サンドプローブを補完することを選択しました。音響検出器は、衝突する粒子の超音波ノイズを定量化された出力に変換することで、砂が存在するかどうかを即座に識別できます。すべての検出器は砂注入によって校正され、混入した砂の正確な定量化が可能になり、特定の侵食リスクを適切に把握できるようになりました。同時に、音響検出器からの出力は、他のセンサーからの侵食速度および推定壁厚損失と相関します。これにより、測定の信頼性が高まり、オペレーション中のさらなる保証が得られます。
エマソンの SAM センサーの高感度により、坑井は継続的に監視され、流体内の砂の濃度が極めて低い坑井でも、リアルタイムで砂の蓄積を正確に検出します。このサイトの坑井では、砂の割合がゼロから最大 0.0015 g/s まで、金属損失率が 0.001 mm/y 未満であることが報告されています（2024 年 1 月の参照データ）。これらの重要なパフォーマンス指標を把握することで、オペレーターは施設の完全性が影響を受けないことを確信し、自信を持って、石油生産率の向上を維持することができます。
下のグラフは坑井の 1 つのデータを示しており、1 か月間で 1kg 未満のごくわずかな砂の蓄積が見られ、砂の割合が 0.0003g/s と低いことを示しています。1) 流速: 2/635 m/s、2) 比較金属ロス <0.001 mm/年、3) 蓄積された砂の質量 <1kg/月、砂速度 0.0003 g/s を示しています。
砂の割合が低いため、グラフには金属ロス曲線に目立った変化が見られず、このレベルの砂生産ではパイプや坑井インフラのその他の重要なコンポーネントに重大な侵食影響がないことが明確に示されています。
いずれかの坑井の砂質量または砂の割合が最小しきい値を超えると、アラームが発せられ、オペレーターが直ちに対応し、データ駆動型の調整を実行して生産率を最適化します。
砂の割合とその侵食の影響をリアルタイムで監視することにより、オペレーターは潜在的な機器の故障を予測し、予知保全を実行して予期せぬダウンタイムを回避することもできます。
砂とエロージョンをリアルタイムで監視することで、オペレーターは資産が砂の生成によるリスクにさらされていないことを認識し、自信を持って生産目標を達成できます。この場合、リアルタイムの砂および浸食モニタリングのデータを活用することで、オペレーターは砂の生産レベルを積極的に追跡し、機器に対する潜在的な浸食の影響を検出できます。このテクノロジーは安心感を与えるだけでなく、オペレーターが最適な生産率を維持し、施設の完全性を持続的に確保できるようにします。
石油生産の完全性をリアルタイムで制御する性能は、財務実績を向上させるための究極のツールだといえます。この場合、エマソンの砂と浸食のリアルタイム監視システムを導入することで、3 日未満で投資回収が達成され、迅速な投資収益率（ROI）が実現しました。
詳細については、
Emerson.com/Corrosion-Erosion をご覧ください
