Boundless Automation℠ で進化する産業
エマソンの上級技術責任者、Peter Zornio が、新しいオートメーションアーキテクチャが、産業におけるデータサイロの解消、ユーザに最も近いコンピューティング能力の拡大、新しいクラウド対応オペレーションおよびエンジニアリングモデルの導入をどのように支援するのかについて説明します。
人工知能(AI)、機械学習、高度なモデリング、高速通信、クラウドコンピューティングなどの変革的な技術の普及が進む中、あらゆる産業のメーカーは、これらのイノベーションを活用してエンジニアリングと運用パフォーマンスを新たなレベルに引き上げる方法を模索せざるを得なくなっています。
自動化は、1980 年代初期のデジタル技術から 2000 年代初頭の産業用 IoT、近年のデジタルトランスフォーメーション、インダストリー 4.0 と進化してきました。 しかし、どのような流行語が生まれようとも、目標がダウンタイムの短縮、安全性とセキュリティの向上、二酸化炭素排出量の削減、効率性向上の推進のための技術とソフトウェアの活用であることは同じでした。
自動化が過去数十年にわたって非常に大きなメリットをもたらしてきた一方で、各部門のチームが技術ポートフォリオを構築するなかで、予期せぬ結果としてデータのサイロ化が生じました。
長年にわたり、信頼性、生産性、安全性、サステナビリティなど、具体的な役割と機能のなかで技術が採用されてきました。 その結果として、それぞれの役割がパフォーマンスを測定し、業務を優先し、職務の状況に応じて運用条件を変更するための支援を目的とした、技術の縦割りが起こりました。 業務の生産性が向上した一方で、データを有意義に連携させ、関連付ける能力が損なわれたのです。
この断片的なアプローチの現実は最近明らかになっています。企業は、自社のデジタルトランスフォーメーションを追求するなかで、データには新しい洞察を得るのに必要なコンテクストが欠けていることが多いと気づきました。 見込みのある目標で成果を出すことができず、データレイクのプロジェクトがデータスワンプになり、クラウドベース分析の構想ではコストが超過し、企業のデジタルプロジェクトの結果がばらついてしまいます。
根本原因は単純です。基盤となるオートメーションアーキテクチャは設計から 50 年近くが経過し、現代の組織の情報ニーズを満たす機能を持っていないのです。 現代のテクノロジとソフトウェアは、従来のアーキテクチャでは対応できないオープン性とデータの透明性を必要としています。 さまざまな役割でデータを活用でき、ソフトウェアの可能性を最大限に引き出すような、オープン性が高く、かつ、より安全な新しいオートメーションアーキテクチャが必要です。
エマソンはこの新しいアーキテクチャを「Boundless Automation™」と呼んでいます。 この新しいアーキテクチャは、インテリジェントフィールド、エッジ、クラウドという 3 つの異なる、相互依存的なコンピューティングドメインにつながっています。 一元的なデータファブリックによって統合され、調整された Boundless Automation は、強力になる一方のソフトウェアがデータにアクセスし、活用する方法を全てのレベルで変革する、まとまったアーキテクチャを作り出します。
インテリジェントフィールド
センサ、設置、通信技術におけるイノベーションは、インテリジェント資産のネットワーク拡大と可視性の向上を促進します。 かつてはコストが高すぎる、または技術的に難しすぎるため計測できないと判断されたアプリケーションは、今やリアルタイムデータのメリットを享受しています。 設備の盲点が解消され、次のような新しいデータ分散方法が実現しつつあります。
腐食、漏れ、振動の検出といった新しい監視アプリケーションが、重要な資産の健全性をリアルタイムで確認できるようになりつつあります。
ワイヤレスかつ非侵入型の設置技術により、センサの導入がより速く、より簡単になり、コストとリスクが下がります。
ビデオや分散データの可視化といった、データが豊富なアプリケーションは、高速で大容量のデータ転送に支えられています。
5G などのセルラ通信はクラウドに直接データを配信するため、より柔軟な運用が可能になります。
デジタル・バルブ・コントローラのような現場機器におけるオンボード分析により、資産の健全性や定められたアクションについてより深く、より迅速に理解できるようになります。
あらゆる製造業務の基盤であるインテリジェントフィールドと工場のフロアは、コンピューティングの力を運用のより深部にまで浸透させ、データをより迅速に洞察へと変換し、より短い時間で誰でもどこにいても情報を利用できるよう、急速に進化しています。
エッジ
10 年以上にわたって注目を浴びる「エッジ」は、運用の周縁部にあるコンピューティングおよびネットワーキングの領域で、IT によって管理されるものと定義されています。 新たに登場した Boundless Automation のエッジは、オペレーション技術(OT)の導入と管理を簡素化し、全てのレベルでオンプレミスの機動性と、細部まで統合されたコンピューティング能力を実現し、現場とクラウドの接続性を向上させます。
現代のエッジテクノロジを推進する主な原動力はソフトウェアの急増であり、これには従来のハードウェア機能を担うソフトウェアも含まれます。 オープンでありながら本質的に安全なソフトウェア環境を通じてデータをうまく利用しようとしている組織は、最新のエッジテクノロジを活用して、職務を越えてデータを利用できるようにし、ソフトウェアの展開や管理を容易にし、複雑さを軽減し、データサイロをなくします。
ソフトウェアのコンテナ化によりハードウェアからソフトウェアが分離され、ドメイン全体でソフトウェア機能がポータブルになります。
一元的なデータファブリックは、さまざまなシステムから得たデータを統合し、より多くのユーザがアクセスできるようするのに役立ちます。
管理ツールを使用することで、より複雑なテクノロジアーキテクチャの管理が簡素化され、バージョン管理を合理化し、サイバーレジリエンスを最大限に高め、エンジニアリングにかかる時間を短縮します。
クラウド
かつては一元的なデータリポジトリであり、ソフトウェアの分散を簡素化する方法と考えられていた現代のクラウドは、不可欠のリアルタイム運用とエンジニアリングの領域として成熟しています。
オンプレミス運用チームは、施設の安全かつ収益の高い運営に必要なリアルタイムの判断とアクションを管理していますが、一元化されたチームとリモートの専門家は、異なる戦略が企業全体でどのように最高クラスの結果を出すかを監視して評価する戦略的役割を果たすことができます。 迅速な通信と高度なソフトウェアのイノベーションにより、企業はさまざまな運用資産の可視性を一元化し、1 つの資産を競合他社よりも優れたものにするテクノロジや運用戦略を共有することさえできるようになります。 この「エンタープライズオペレーション」モデルは、より緊密に統合された運用方針、より優れた比較データ、運用における変更に対するより機敏なアプローチによって、複数の運用ユニットを一元的に管理します。
Boundless Automation は、さまざまな重要プロジェクトにおいて、世界中の多数のサプライヤとプロジェクトチームをつなぎ、連携する一元的なエンジニアリングツールとデータ管理ツールを提供することで、現代におけるプロジェクトの複雑さを軽減するものとして、クラウドを位置づけています。 これによってエラーが減り、すべてのチームがプロジェクトデータに対して共通の理解と単一かつ真実の情報源に基づいて運用できるようにします。 モジュラプロジェクト設計は、構成とテストを仮想化するエンジニアリング統合ツールによって管理しやすくなっており、タイトなスケジュールのプロジェクトが予定通りの日程で進み、予算に影響が出ないようにします。
まとめ
持続可能性と収益性の高い安全な運用に対する需要は、運用の柔軟性と機敏性を高め、より的確な意思決定を求めるニーズを促進しています。 また、データの可用性が大きく拡大しているにもかかわらず、データを新しく、実用的な洞察に変換する能力は、時代遅れのテクノロジアーキテクチャによって窮地に立たされています。 オープンかつ安全な最新の Boundless Automation アーキテクチャは、全ての業界のメーカーに、世界規模の成果を挙げるためにデータを解放し、ソフトウェアの力を解き放つ力をもたらします。
「Innovations in Automation」でBoundless AutomationSM の詳細をご覧ください。